「時間」とは何か エンデの「モモ」を読んで(その2)
人生で大事なことは
エンデの「モモ」の中で人間から時間を奪っている灰色の紳士が言った言葉です。まさについ最近までの自分の生き方でした。
「人生でだいじなことはひとつしかない。」「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間には、そのほかのものー友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでにあつまってくるものだ。」
本当に人生で大事なことは
成功すること。ひとかどのものになること。それが自分の人生を生きることだと考えて社会に出てよほど用がない限り仕事をしてきました。その甲斐もあって仕事では評価されました。多くのものを手に入れることもできました。それで心が安らぎを得たでしょうか、心の底から笑うことができたでしょうか?いいえ、いつも満たされぬ思いは感じ、仕事が終わると1人で酒を飲んでいました。そもそもひとかどのものになるって具体的にどういう事さえもきちんと考えず、世間一般のイメージで深く考えずに、走っていました。
そして、みせかけの友情だの、愛だの、名誉は手に入りました。みせかけというのは、自分の立場が変わればあっという間になくある人間関係だったからです。そんなものに多くの時間を使い、本当にありのままの自分を受け入れてくれる人達との時間を失っていました。そうして幸せを感じる心を忘れてしまい、遠くに幸せがあるとただ時間に追われるように、走り続けているだけの日々を過ごしていました。
本当に人生で大事なことは、それをきちんと日々、考えて今ここを生きたいです。時間に追われて今ここに幸せを感じる心を失わないように