オトーリ

８月１３日兄の祥月命日

兄は宮古島で前触れなく８月１３日に亡くなりました。
受け入れる準備ができていない死、悲しみと何もすることができなかった無力感、喪失感、と自責。
そんな想いで観光シーズンの宮古島にむかいました。観光シーズンで楽しそうな人達をうらやむこともなく、ひがむこともなく、ただ景色が流れているように何の感情もなく、ぼんやりと眺めていました。

宮古島の飲酒の慣習

オトーリは宮古島で行われる飲酒の慣習です。１人が口上を述べて、同じ杯に泡盛を注ぎ、となりの参加者に渡す。飲み干したらその隣の参加者に杯を注ぎ、一巡すると、礼をのべ、挨拶をして、次に口上を述べる人を繰り返す。これを繰り返す泡盛の飲み方です。

心が空っぽになるまで、泣いて笑う

私が兄が亡くなった後、宮古島に行った時に、兄の仲間がオトーリをしてくれました。それぞれが兄への想いや想い出を話し、泡盛を回していき、心が空っぽになるまで、おもいきり泣いて、笑うことができました。
そのおかげで心が軽くなりました。
今でも毎年、兄の誕生月に宮古島を訪れ、兄の仲間とオトーリをして、兄を想いだして、思い切り泣いて、笑っています。そうすることで、兄の心を今ここに一緒にいるように感じることができます。

自分の感情を表にだせること。思い切り泣くことも、思い切り笑うことも、とても大事だと思います。

そんな時間を大切にしたいと思います。