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BLOGあしあとのかなたに

ナラティヴ・セラピー

2023.07.30

考えさせられる言葉

ナラティヴセラピーは心理療法の一つで、講義を聴く機会があり、その中で奥が深い、今後も忘れずに探求したいスローガンに出会ったので紹介したい。それは

「問題が問題であり 人が問題ではない」

というスローガンである。人は人を中心に判断するが、人が自分の意志で出来る事は少ないということである。問題がその人の内に存在したり、その人に本質的に備わってしるのでなく、むしろ問題がその人に影響を与えている。問題は外在化しているということである。
例えば歩くことも様々な必要条件がそろわないとできない。人が歩く動作が自分の能力として可能であっても、足に接する場所は水平に近く、ある程度の硬度を持ち、適度に固定されていなければならない。急な斜面、グニャグニャしたとこ、グラグラしたとこは人が歩く動作を自分の能力として持っていても歩くことができない。
また、足下でまったく同じ条件が繰り返されるということはありえない。踏み出された一歩一歩が踏みしめる場所は一つ一つ違う。従って歩行する身体は毎度毎度異なる外的条件にも対応できなければならない。
外的の条件があるから、それに対応できるできないで喜ぶ、怒るの感情がある。つまり感情は自分ではどうしようもできない部分があるのである。
精神疾患についても、本人はどうにかしたいと思っているし、本人が精神疾患になるように何かしているわけでないし、本人がコントロールしているわけではない。本人が自分の意志で自由に選択ができているわけではないのである。

人は自分の意志で自分の思う通りにできない。

この事が理解できれば、怒っている人に対しても、もちろん人に迷惑をかけている点は注意しなければならばいが、一体何をしたくて、何を得たかったんだろうと問題の本質を考えることができるようになる。
また自分が思う結果を得た時もそれは周りの環境のおかげと周りに感謝することができる。
「問題が問題であり 人が問題ではない。」
しっかり腑に落としたいスローガンである。