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BLOGあしあとのかなたに

トラウマティックストレス

2024.09.01

CAPプログラム受講で印象に残った引用

CAPプログラム養成講座を受講した際にテキストに印象に残った引用がありました。それは『トラウマティックストレスーPTSDおよびトラウマ反応の臨床と研究のすべて』べセル・Aヴァン・デアコルク/アレキサンダー・C・マクファーレン/ラース・ウェィゼス編・西澤 哲訳(誠信書房2001年)P40からの引用になります。

心的外傷を研究することは、自然界における人間の脆さ、はかなさを目をそむけずにみつめることであると同時に、人間の本性のなかの悪をやってのける力と対決することである。心的外傷の研究は、身の毛もよだつような恐ろしい事件の証言者となることである。人災の場合には、証言者は被害者と迫害者との争いのなかに巻き込まれる。この争いの中で中立的位置を維持することは倫理的に不可能である。第三者はどちらかの立場(側)に立つようにさせられてしまう。加害者の側に立つことが楽であり、そうなってしまいがちである。加害者は見たい、話をききたい、そして悪口に口をつぐんでいたいという万人の欲望に訴える。被害者の方は、これに対して、第三者に苦痛の重荷をいっしょに背負ってほしいという。被害者は行動を要求する。かかわること、思い出すことを要求する。残虐行為を終えるたびに聞かされる弁解の内容は聞く前からわかっているー決してさようなことはおこっておりませぬ、被害者は嘘をついているだけでございます、いずれにせよ、過去を忘れて前向きになるべきだと決め付ける主導権は大きく、その論法がすっかりまかり通ってしまう。人権を擁護する強い政治的な動きがかけているところでは「積極的に証言を維持するという過程」が<積極的に忘れてしまおうとする過程>に道をゆずってしまう。抑圧し、解離し、否認するという現象は、社会にも起こり個人にも起こる。

深く考えさせられる内容です。みなさんはどのように感じるでしょうか