AIと現代社会
人間がAIに近づく
今、スピノザのエチカを読んでいます。私にはかなり難解な哲学です。国分巧一郎さんの解説を参考にしながら読み解いています。その中で、エチカの内容とは直接関係ないですが国分さんの考えに共鳴した点を紹介します。
ただ、AIブームの裏には、AIに対する知的好奇心だけでなく、いつか私たちがAIに追い越されてしまうのではないかという恐怖心があるのかもしれません。この点について、私はすこし別のところに危惧を抱いています。それはAIが人間に近づくことではなくて、人間がAIに近づくことです。
月並みな指摘になってしまいますが、現代社会はマニュアル化が進み、人間そのものが一つのアルコリズムのように扱われています。一定の情報をインプットすると、演算結果をアウトプットしてくれる存在というわけです。アルコリズムのように扱われるということは、いくらでも取替えがきく存在として扱われることを意味します。実際にそうなりつつあります。
今が哲学を学ぶチャンス
前述のような仕事であれば、AIにとって変わられると危惧をいだくでしょう。でもそれはもともと人間よりAIに向いている仕事です。本来の人間らしいことを考えるチャンスだと思います。
哲学を読んで、人間について考えてみるのは、新しい社会をつくっていく源になる気がしてなりません。