自殺希少地域その2
人物本位主義をつらぬく
岡壇さんの自殺希少地域の現地調査のよる自殺予防因子その2は「人物本位主義をつらぬく」である。
ここでいう人物本位主義とは、職業上の地位や学歴、家財や財力などにとらわれることなく、その人の問題解決能力や人柄を見て評価することを指している。
私達は人物を評価する際に、受け売りのインテリ風言葉づかいや自分をより大きく見せるためのパフォーマンス、さらに付け加えれれば職業上の地位や学歴など、ともすればこうした表層的な要素やアクセサリに惑わされがちであるのだが、どうやら自殺希少地域の人々は、あまり惑わされないらしい。
また年長者だからといって威張らない。歳が上げれば自動的に偉くなるとは限らないと思っているふしがあり、年長者が年少者を抑えつけない。
これがユニークな相互扶助組織をつくっている。
自殺予防因子とは特別なことをしているのではない。本来、当たり前のことを人の眼を気にせずにやっているだけだと感じる。でもこれが難しい。少しずつ、まず自分から訓練していきたいと思う。