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BLOGあしあとのかなたに

自分の根源になる言葉に出会う

2024.03.10

言葉をどこで感じる

先日、批評家、文芸評論家、随筆家である若松英輔さんの詩の本の出版記念のトークイベントに参加することができました。
若松さんの本は私が利他について探求を続ける中で、「利他とは何か」という本にであったのがきっかけです。
今回の話で心に響いたのは同じ言葉には2度と出逢わないとの言葉でした。記号として、頭で理解する言葉、例えば「悲しみ」は何度でも聞きますし、何度でも出逢います。しかし、その言葉を聴いた感情はその時その時で違います。同じ言葉でも同じ感情で受け取る事はない。確かにそうですよね。
言葉は情報を伝える記号でなく、その言葉を発したプロセスを感じて心で感じる。そうすることに、味わい深いものになるのだと感じました。
そして、自分の根源になる言葉をみつければ、人生が深く、あらゆる繋がりを感じ、時空を超えた感覚に出逢えるとの事でした。若松さんの根源になる言葉は「悲しみ」との事でした。
私も幼少の頃の母の死が自身の根源に大きく関わっていると感じます。でも私の根源は悲しみではないと感じました。自分で何だろうと数日間、考えました。利他かな?それは頭で考えている面が今はまだ強いから根源ではないな。なんだろうと自分の心の原風景をたどっていると、映像はどれもピンぼけして、はっきりしないのですが、子どもの頃の台所、居間、庭、どこかの道、自然の中、そこには母がいました。母の顔もぼんやりとしてはっきりわかりません。でもそのピンボケの光景が心にあると、心がポカポカしてきます。ピンボケしている風景に共通しているものに気づきました。それは母の温かい「眼差し」でした。
自分の根源は「眼差し」だったんだと気づきました。
この言葉を心で感じる時、過去も今も未来も同じ時空を流れいる不思議な感覚になります。